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パーキンソン病の診断・治療

脳の異常により神経的な影響があらわれる病気です。「動かなくなる」「振るえる」「手足が固くなる」「転びやすくなる」といった体の動きに直接的に関わる障害が起きるものです。現在、日本には約15万人のパーキンソン病患者さんがいると言われています。高齢者に多くみられる傾向のある病気ではありますが、若い方でも発症する病気です。

どんな病気なの?

私たち人間が体を動かす仕組みは、脳から筋肉へ指令を出す神経物質に大きく関係しています。

意思通りに体を動かすよう指令を出すその物質に異常が発生することによって、調整機能がうまく働かなくなり、体の動きそのものに顕著な障害があらわれることになります。これがパーキンソン病の原理です。

パーキンソン病は何年もかけてゆっくりと進行していくのが特徴的な病気です

“最近動きが悪くなったな”というような漠然とした感覚は、“年齢的なもの”程度に軽く捉えて思い過ごしやすいものでもあります。実際に何年もご自身で我慢されたり放置されたりして気づかない間に進行してしまったケースや、他のクリニックでの簡単な診察のみで見逃されてしまったケースもあるのがパーキンソン病の現実です。ご自身の自覚症状がはっきり出る段階になっては、すでに深刻な症状に進行してしまっているケースが多いのもパーキンソン病の特徴です。

パーキンソン病は決して珍しくない病気です

完治するための決定的な薬はまだ開発されていませんが、ひと昔前ほど“難病”というイメージを持つような悲観するべき病では決してないと私たちは考えます。今や人口10万人に100人ほどの患者さんがいると言われているほどメジャーな病気です。

加えて、

・脳梗塞からくるパーキンソン病のような症状
・パーキンソン病のような症状を伴った認知症  など

似たような症状を合わせ持つ病を数えれば、その件数は膨大な数に上ります。

年齢関わらず誰もがなりえる可能性のある病気ですし、現代では医学が進歩して症状を和らげる方法や治療法、効果的な治療薬がたくさん存在しています。個々の症状に細かく合わせた、多くの選択肢が広がる病気です。それだけに早期発見・早期治療がより高い効果を期待できる病気とも言えます。

治療により劇的な改善がみられることもあれば、一生付き合わなければならない側面を持つのがパーキンソン病です

さまざまな神経障害を伴うことにより、他の中枢神経や自律神経にも大きなダメージを与えてゆきます。抑うつ状態や幻覚などの精神症状に関わる疾患や自律神経に関係した症状を多岐に渡って併発することもよくあります。精神的なケアもまた重要な鍵を握る病気です。

どんな診察や検査が必要ですか?

パーキンソン病は一回診察すれば、おおよその診断がつけられる病気です。
まず問診で詳細な症状についてや進行の経過等のお話を丁寧にお伺いします。
さらに神経内科的な観点で手の動きや歩き方、姿勢などを拝見することで診断いたします。

特に
・動かなくなる
・振るえる
・手足が固くなる
・転びやすくなる
といった四大兆候を正しく判断いたします。

また、脳腫瘍等の似たような症状を持つ他の病気と精査するため、CTやMRIなどの画像診断も合わせて行うことでよりクリアに精緻な診断ができます。

どんな治療をするの?

パーキンソン病は、他の一般的に難病と言われるような病に比べれば比較的治療法が確立されている病気です。
中心は薬物治療になります。治療薬も個々の症状・内容・進行状況等により、きめ細やかに複雑な組み合わせを必要とするものです。
副作用の少ない新薬もどんどん開発されていますから、患者様の症状にピッタリと合う薬を見つけられる期待は日に日に高まっている病気とも言えます。

パーキンソン病の患者様はどうしても外に出かけることや体を動かすことを遠慮しがちになる傾向があります。さらなる身体機能の低下にも繋がっていくことですので、ご自身でも適度に運動を意識しながら治療を行うことが、薬物治療と同様とても大事なことだと考えています。

進行性の高いパーキンソン病だからこそ、異変を早く察知することが肝心

パーキンソン病はその進行性が特徴的な病気です。次第に自力歩行が困難になったり車椅子や寝たきりの生活になる患者様も多い現実があります。筋肉が硬くなることや体のバランスが悪くなるといったような些細な変化はなかなかご自身だけでは気づきにくいものではありますが、「動きが悪くなった気がする」「歩行が遅くなったと言われる」「振るえが気になる」「転びやすくなった」「声が小さくなった」などの異変に少しでもお気づきになった場合はパーキンソン病の可能性がありますので、まずはご相談ください。

パーキンソン病はその症状の種類や程度、経過等によっても患者様の数だけ千差万別なものです。個々の症状に応じた細やかな治療法が選択できますので、まずは専門的な診断を行える神経内科医の受診を強くおすすめいたします。

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