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糖尿病の治療

 

糖尿病とはどんな病気なの?

 インスリンと呼ばれるホルモンは膵臓のβ細胞というところから分泌され、血液中の糖を下げてくれる役割をします。糖尿病とは、このインスリンの効果が低下したり出なくなってしまうことで高い血糖値が続いてしまう病気です。そして、視力低下、腎不全、足壊疽などを引き起こしたり、動脈硬化をすすめてしまい、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞の発症率を増加させます。

 

糖尿病の原因にはいろいろあります

糖尿病は、①1型、②2型、③その他、④妊娠中の4つにわかれます。

 約10%の割合の1型糖尿病は、からだの中でインスリンを分泌する膵臓のβ細胞がなんらかの理由によって壊れてしまいインスリンがでなくなる病気です。β細胞の壊れ方のスピードもさまざまです。ウイルス感染が原因かもといわれていますがまだはっきりとはわかっておりません。

 一番多いタイプの2型糖尿病は成人の方に多く、原因は遺伝と、肥満や食事の乱れや運動不足などからくるものです。最近では小児の2型糖尿病も増加しています。

 その他、ステロイドを使用したり、慢性膵炎、膵臓手術後にも糖尿病を発症したりします。

 また、妊娠中に血糖値が上がることがあり、出産すると改善しますが将来的に糖尿病になりやすいので定期的な検査が必要です。

 糖尿病はゆっくり進行するととほんど症状がありません。急激な血糖値上昇がおこると

  • のどが渇く状態が続く
  • 水分を多量に欲する(多飲)
  • 尿の量が多くなる(多尿)
  • 目がかすみやすくなる
  • 疲れやすくなる
  • 体調不良を感じやすくなる
  • やせてくる

といったような自覚症状があらわれるようになります。

 

どんな診察や検査が必要ですか?

 

 基本的には空腹での採血で診断をしていきます。膵臓から出ているインスリンの量や1型糖尿病の抗体検査も採血でできます(結果は数日かかります)。糖尿病かその一歩手前かぎりぎりな状態の場合はブドウ糖負荷検査をおこないます。

 ブドウ糖負荷検査はサイダーのような甘いジュースを飲んでいただき、空腹時と2時間後の血糖値を検査します。血糖値はすぐに測定できますので、検査結果はすぐにでます。

 

どんな治療をするの?

 2型糖尿病では、食事療法・運動療法を基本の軸とし、それでも効果や改善が思うように出ない患者様には薬物療法を行います。

 基本は「食事」です。栄養指導で、毎日の食生活を見直すことからはじめ、必要な栄養素のバランスを理解していただきます。繰り返しの栄養指導も効果的です。

 そこに加えてインスリンの効き目をよくするための運動療法を組み合わせます。有酸素運動、無酸素運動のどちらでも効果を期待できます。しかし、無理な運動療法は、合併症をすすめたりかえって血糖値が上昇したりしますので、主治医に相談してから行いましょう。

 薬物療法では、状態にあった内服薬、必要な方にはインスリン治療や週1回のGLP-1受容体作動薬注射での治療も行っています。インスリン治療は、開始したかたの約半数程度は最終的に中止できます。

 

 1型糖尿病は、インスリン治療が原則です。CSIIと呼ばれるインスリンポンプの治療も積極的にしています(現在6名が使用中です 2021年5月現在)し、SAPの外来導入もおこなっております。また、栄養指導では炭水化物の摂取量で血糖値管理をおこなうカーボカウントを取り入れております。

  眼科での眼底検査は視力低下がなくても一年に一度は施行しましょう。

 歯周病が、血糖コントロールを悪くすることもあり歯科受診もおすすめしています。

 

糖尿病専門医による治療と専門の管理栄養士による指導

 日本糖尿病療養指導士の資格のある管理栄養士が在籍しています。
 コンビニでのおかずの選び方や、外食でのポイント、またシフト制での不規則勤務における食事へのアドバイスも行います。「テレビでみたけど、本当なの?」といったことからやサプリメントなどのご相談もお受けします。

 

管理栄養士による栄養指導の流れ

  • まずどのような食事をされているか、食事調査票や嗜好等のアンケートをもとに現状をききとりさせていただいた後に栄養指導をおこないます。
  • 何から取り掛かって良いのかわからない初回の方も安心してご相談ください。
  • 栄養指導は1回につき約30~45分程度です。

 

糖尿病治療の目標

 残念ながら糖尿病を発症しても、「糖尿病になって恥ずかしい」などと思わない人生を過ごせるように治療するのが目標です。

 生活習慣の改善と、体にあった適切な血糖変動を調整できるような薬剤を使用したりしながら、健康なかたと同様の寿命、生活レベルを維持できたらと思います。

 特に、仕事や家庭で忙しい方は症状がないために治療を中断してしまうことは糖尿病をお持ちの方ではよくあります。

 病院に足が遠のいてしまった方におかれましても、お気軽に受診してください。

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